全世界株式とは?メリット・デメリットやS&P500との違いを解説

お金

「全世界株式ってよく聞くけど、そもそも何?」

「オルカンっていう商品とは違うの?」

「S&P500と比べてどっちがいいの?」

投資や新NISAについて調べていると、「全世界株式」や「オルカン」という言葉を目にすることが増えてきました。

特に投資初心者の中には、名前からなんとなく「世界中の株を買うもの」というイメージはあっても、具体的な仕組みまでは分からない人も多いのではないでしょうか。

全世界株式とは、アメリカだけでなく、日本やヨーロッパ、新興国など、世界各国の企業に幅広く投資する考え方です。

1つの商品を購入することで、世界中のさまざまな企業に分散して投資できる商品もあります。

この記事では、全世界株式とは何なのか、どのような特徴があるのか、メリット・デメリット、S&P500との違いについて、投資初心者にも分かりやすく解説します。

全世界株式とは?

全世界株式とは、世界各国の企業に幅広く投資することを目指す投資方法です。

「全世界株式」という名前の一つの商品が存在するわけではありません。

全世界株式に連動することを目指す投資信託やETFなど、さまざまな金融商品があります。

代表的な指数の一つが、「MSCI ACWI(MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス)」です。

MSCI ACWIは、先進国と新興国の株式を対象とした指数で、世界の株式市場の動きを幅広く捉えることを目的としています。

つまり、全世界株式を簡単にイメージすると、

「世界中の企業にまとめて投資する」

という考え方です。

例えば、アメリカの企業だけでなく、日本やイギリス、フランス、カナダ、インドなど、さまざまな国・地域の企業が投資対象になります。

「オルカン」って何?

全世界株式について調べていると、「オルカン」という言葉もよく出てきます。

オルカンとは、一般的に「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」という投資信託の愛称として使われています。

「オール・カントリー」を略して「オルカン」と呼ばれています。

ここで注意したいのが、

全世界株式=オルカン

ではないということです。

全世界株式は投資対象や投資方針を表す大きなカテゴリーであり、オルカンはその中の具体的な投資信託の一つです。

例えば、

全世界株式

↓

MSCI ACWIなどの指数

↓

その指数への連動を目指す投資信託

という関係があります。

そのため、「全世界株式に投資したい」と思った場合、具体的にどの商品を購入するのかを選ぶ必要があります。

全世界株式にはどんな国が含まれている?

全世界株式では、さまざまな国や地域の企業が投資対象になります。

代表的な国としては、

  • アメリカ
  • 日本
  • イギリス
  • フランス
  • カナダ
  • ドイツ
  • スイス
  • オーストラリア
  • インド
  • 中国

などがあります。

ただし、ここで一つ覚えておきたいポイントがあります。

全世界株式だからといって、すべての国に同じ割合で投資するわけではありません。

多くの全世界株式指数は、企業の時価総額などをもとに投資比率を決めています。

そのため、株式市場の規模が大きいアメリカの割合はかなり大きくなっています。

「全世界」という名前から、

アメリカ20%、日本20%、ヨーロッパ20%……

のように均等に投資していると思うかもしれませんが、実際はそうではありません。

世界の株式市場に占める各国の規模によって、投資割合も変わってきます。

全世界株式の特徴

ここからは、全世界株式の特徴をもう少し詳しく見ていきましょう。

世界中の企業に分散投資できる

全世界株式の大きな特徴は、国や地域をまたいで幅広く分散投資できることです。

例えば、アメリカだけに投資している場合、アメリカの経済状況が悪化すると大きな影響を受ける可能性があります。

一方、全世界株式ではアメリカ以外の国や地域にも投資します。

そのため、特定の国だけに投資する場合と比べて、投資先を広げることができます。

もちろん、世界の株式市場全体が下落すれば、全世界株式も値下がりする可能性があります。

「世界中に分散している=損をしない」という意味ではありません。

アメリカの割合が大きい

「全世界株式なのにアメリカが多いの?」

と思った人もいるかもしれません。

実は、これが全世界株式の大きな特徴の一つです。

世界の株式市場では、アメリカ企業の規模が非常に大きいため、時価総額を基準とする全世界株式指数ではアメリカの割合も大きくなります。

つまり、全世界株式=アメリカを除いた世界の株式ではありません。

むしろ、「アメリカを中心として、その他の国や地域にも幅広く投資する」というイメージの方が近いでしょう。

全世界株式のメリット

ここからは、全世界株式に投資するメリットを紹介します。

世界中の企業に分散投資できる

一番分かりやすいメリットは、世界各国の企業に幅広く投資できることです。

例えば、アメリカ企業だけでなく、日本やヨーロッパ、新興国などにも投資できます。

もし将来的にアメリカ以外の国や地域が大きく成長した場合でも、その地域の企業が投資対象に含まれていれば、その成長を取り込める可能性があります。

「どの国が将来一番成長するのか分からない」という人にとって、全世界株式は分かりやすい選択肢の一つです。

どの国が成長するかを予想しなくてもいい

投資を始めると、

「これからはアメリカが強いのかな?」

「インドが成長するんじゃないか?」

「日本株もこれから伸びるかも?」

など、いろいろ考えるようになります。

しかし、10年後、20年後にどの国が一番成長しているのかを正確に予測するのは簡単ではありません。

全世界株式なら、特定の国に賭けるのではなく、世界全体に幅広く投資できます。

そのため、「どの国が勝つか分からないから、世界全体に投資しておこう」という考え方ができます。

これは全世界株式の大きな魅力です。

1つの商品で分散投資しやすい

全世界株式に連動する投資信託などを利用すれば、1つの商品を購入するだけで、複数の国や地域の企業に投資できます。

自分で、「アメリカ株を買って、日本株も買って、ヨーロッパ株も買って……」と一つずつ選ぶ必要はありません。

投資初心者でも比較的シンプルに分散投資を始められるのは、大きなメリットでしょう。

世界経済の変化に対応しやすい

世界経済は常に変化しています。

現在はアメリカ企業の存在感が大きくても、将来的には別の国や地域の企業が大きく成長する可能性があります。

全世界株式では、指数の構成銘柄や国ごとの比率が変化していくため、世界の株式市場の変化を投資先に反映できます。

そのため、「今、一番強い国を自分で選ぶ」のではなく、「世界全体に投資し続ける」という考え方ができます。

全世界株式のデメリット

もちろん、全世界株式にもデメリットがあります。

「世界中に分散できるから安心!」

とメリットだけを見るのではなく、リスクもしっかり理解しておきましょう。

世界の株式市場が下落すれば影響を受ける

全世界株式は世界中に分散していますが、株式であることに変わりはありません。

世界的な金融危機や景気後退などが起きれば、多くの国の株式市場が同時に下落することがあります。

その場合、全世界株式も大きく値下がりする可能性があります。

つまり、分散投資=元本保証ではありません。

アメリカへの依存度が低いわけではない

全世界株式の中でもアメリカの割合は大きいため、

「アメリカへの投資を避けたい」

という目的で全世界株式を選ぶのは少し違います。

全世界株式にも多くのアメリカ企業が含まれています。

そのため、アメリカ株の値動きは全世界株式にも大きな影響を与える可能性があります。

成長性の低い国も含まれる

全世界株式では、成長している企業だけに投資するわけではありません。

世界各国の企業に幅広く投資するため、成長率の低い国や企業も含まれます。

「今後、最も成長しそうな国だけに投資したい」

という人にとっては、全世界株式は物足りなく感じるかもしれません。

全世界株式とS&P500の違い

ここで、投資初心者が特に気になる「S&P500との違い」を見てみましょう。

S&P500は、アメリカを代表する大型企業で構成される株価指数です。

一方、全世界株式はアメリカだけでなく、世界各国の企業に投資します。

簡単に比較すると、次のようになります。

全世界株式S&P500
主な投資先世界各国アメリカ
投資対象世界の企業アメリカの大型企業
地域分散◎○
アメリカへの集中低め高い
世界経済への分散◎△
特徴世界全体に投資アメリカに集中投資

一番大きな違いは、「どこに投資するのか」です。

S&P500はアメリカに集中して投資します。

一方、全世界株式はアメリカを中心にしながら、その他の国や地域にも投資します。

S&P500については下記の記事で詳しく解説しています。

関連記事:S&P500とは?構成銘柄や特徴、メリット・デメリットを初心者向けに解説

関連記事:S&P500と全世界株式、どっちがおすすめ?違いや特徴を初心者向けに比較

S&P500と全世界株式、どちらがいい?

ここまで読んで、

「結局、S&P500と全世界株式はどっちがいいの?」

と思った人もいるでしょう。

結論としては、どちらが絶対に正解というわけではありません。

例えば、S&P500が向いている人

  • アメリカ企業の成長に期待している
  • アメリカに集中して投資したい
  • 投資先をシンプルにしたい
  • 世界的なアメリカ企業に重点的に投資したい

このような人なら、S&P500が選択肢になるでしょう。

一方、全世界株式が向いている人

  • 世界各国に幅広く分散したい
  • どの国が成長するか予想したくない
  • 特定の国に集中するリスクを抑えたい
  • 世界経済全体の成長に投資したい

という人には、全世界株式が向いているかもしれません。

大切なのは、「どちらの方が儲かるか」だけで決めないことです。

投資を続けていると、どちらを選んでも株価が下落する場面はあります。

そのときに、「なぜ自分はこの商品を選んだのか」を理解していれば、短期的な値動きに振り回されにくくなります。

全世界株式とS&P500を両方買うのはあり?

「じゃあ、両方買えばいいんじゃない?」

と考える人もいるかもしれません。

もちろん、S&P500と全世界株式の両方に投資することはできます。

ただし、ここで注意したいことがあります。

先ほど説明したように、全世界株式にはすでにアメリカ企業が多く含まれています。

そのため、S&P500と全世界株式を両方購入すると、結果的にアメリカへの投資割合をさらに高めることになります。

例えば、「世界全体に分散したいから全世界株式を選んだ」

のであれば、S&P500を追加する必要があるとは限りません。

一方で、「全世界株式をベースにしながら、アメリカへの投資割合をさらに高めたい」

という明確な目的があるなら、両方を組み合わせる方法もあります。

大切なのは、なんとなく両方買うのではなく、

「自分がどの国・地域に、どれくらい投資しているのか」を理解することです。

全世界株式はNISAで購入できる?

全世界株式に連動する投資信託の中には、NISAの対象となっている商品があります。

NISAを利用すると、一定の条件のもとで投資によって得られた利益が非課税になります。

そのため、長期的な資産形成を考える人にとって、NISAと全世界株式を組み合わせる方法は選択肢の一つになります。

ただし、すべての全世界株式商品がNISAのすべての投資枠で購入できるわけではありません。

実際に購入する場合は、金融庁や利用している証券会社の最新情報を確認しましょう。

全世界株式に投資するときに大切なこと

最後に、全世界株式への投資を考えるときに覚えておきたいことがあります。

それは、

「世界中に投資しているから絶対に安心」と考えないことです。

全世界株式も株式市場に投資する商品なので、価格が大きく下落する可能性があります。

また、為替の変動によって、日本円で見たときの資産価値が変化することもあります。

そのため、投資を始める際には、

  • 生活費まで投資しない
  • 短期的な値動きだけで判断しない
  • 投資先の仕組みを理解する
  • 長期的な視点を持つ

といったことを意識することが大切です。

「人気だから買う」のではなく、自分が何に投資しているのかを理解してから購入するようにしましょう。

まとめ

今回は、全世界株式について解説しました。

全世界株式とは、アメリカを含む世界各国の企業に幅広く投資する考え方です。

ポイントをまとめると、次のとおりです。

  • 全世界株式は世界各国の企業に投資する
  • 「全世界株式」という一つの商品があるわけではない
  • 「オルカン」は全世界株式に投資する代表的な投資信託の一つ
  • アメリカの割合は大きく、全世界株式にも多くのアメリカ企業が含まれる
  • 世界各国に分散投資できることがメリット
  • どの国が成長するかを予測しなくても投資できる
  • 一方で、世界的な株価下落の影響を受ける可能性がある
  • S&P500よりも投資する国・地域が幅広い
  • S&P500と全世界株式のどちらが正解というわけではない
  • 自分の投資方針に合った商品を選ぶことが大切

全世界株式の魅力は、「どの国がこれから一番成長するのか」を自分で当てにいかなくても、世界全体に投資できることです。

一方で、S&P500はアメリカの代表的な企業に集中して投資することで、アメリカ企業の成長をより強く取り込むことを目指せます。

どちらを選ぶにしても、「人気だから」「みんな買っているから」という理由だけではなく、自分がどのような投資をしたいのかを考えて選ぶことが大切です。

投資は長く付き合っていくものだからこそ、まずは仕組みを理解するところから始めてみましょう。

参考・出典

MSCI ACWI Index

S&P 500® |S&Pダウ・ジョーンズ指数

つみたて投資枠対象商品 : 金融庁

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